250TR購入にあたってのメット・リサーチ

ライダーたるもの、ヘルメットはフルフェースのみ、服はつなぎのみ・・・なのか?

2005年8月30日


調査動機

このたびバイクを初めて購入するにあたって、ジェットタイプのヘルメットはダメ、フルフェースでなきゃ、そして服はつなぎと強く注意してくれる人がいた。その議論にはほんとにそうなの? どうして? と、納得できない点が多かったけど、それにしっかりと応えて説明できないのはイマイチ。

バイクに乗ることはリスクを伴う活動なのだから、メットの選択ひとつにしても意識的によく考慮し、安全性に関してはいつでもすらりと説明できるべきだ。と思って調べ始めたらけっこういろいろあってたいへん。いつのまにかメットを購入するのに必要な範囲を越えて好奇心の領域に足を踏み入れつつある気がするのですが、とりあえず調べたものを載せておいおい整理していきます。

基本的ニーズと考え方

調査前(原則)

調査前(導かれた判断)

  1. 半ヘル:原付(半そで短パンの若者)で目立つが、二輪運転者の半分以上はこれのようだ。原付を外すならとくに多数派というわけではない。安全性はほとんど問題外の非安全性絶対主義。ただし、原付の法定速度を守るなら、重くて外部と遮断されたフルフェースより安全かもしれない。自転車用ヘルに近い発想として理解できる。ともかく250TRに乗るなら、臨時の携帯用ヘルとして意外考慮から外すべきだろう。
  2. ジェット:中高年と女性の原付、通勤などの街乗りライダーに多い。安全性と快適性のバランスを考えた選択か。彼らは見た感じ総じて安全運転。また、教習所の教員と白バイも採用(フランスはシステム・メットらしい)。コミュニケーションと安全性のトレードオフと思われる。バランスを考慮する相対主義者にしかこのメットの選択はない。
  3. フルフェ:ロードやレプリカのライダーはほぼ必ずフル。これは安全性・高速時の快適性・サーキットを頂点とするスピード文化。オフロードのオフ用フルフェも同様。また、ツーリング装備のライダーでは、ジェットと同様かややや多いように思われる。安全性か高速時の快適性を重視したためか。あとは、絶対顔を傷つけたくない女性や安全第一のフルフェ至上主義者といったトレードオフ拒否組。
  4. ジェットとフルの併用組:2と3の折衷であるが、その趣味は3のケースもありうるが、その選択思想は2の相対主義に属すると思われる。

調査後(導かれた判断)

 

調査後(原則)

 

フルフェースかジェットか?

自分自身の経験と観察

教本と教習所(デルタ・テクニカル)での指導と分析

「道交法施行規則」(乗車用ヘルメット) 第9条の5

([道路交通法 第七十一条の四] 6.乗車用ヘルメットの基準は、内閣府令で定める。 )

法第71条の4第一項及び第二項の乗車用ヘルメットの基準は, 次の各号に定めるとおりとする。
1.左右,上下の視野が十分とれること。
2.風圧によりひさしが垂れて視野を妨げることのない構造であること。
3.著しく聴力を損ねない構造であること。
4.衝撃吸収性があり,かつ,帽体が耐貫通性を有すること。
5.衝撃により容易に脱げないように固定できるあごひもを有すること。
6.重量が二キログラム以下であること。
7.人体を傷つけるおそれがある構造でないこと。

これが優先順位とするなら、教習所での教育と私自身の現在の考え方にもっとも近いと思われる。とくに、ヘルメットを転倒・衝突したときの衝撃吸収性単体で評価するのではなく、安全運転自体をサポートするものとして位置づけている点が、正しいバランスであると思われる。

メーカーによるメットのカタログや、いわゆるメット通の談義では、快適さと事故った時にどうかという話が多いが、これは一面の真理かもしれないが、そこに焦点を絞るのはメットメーカーの販売促進戦略の可能性が高い。ジェットにしてもフルフェにしても。そのようなあおりや偏りは、バイク本体に関する言説でもしばしば感じられる。運転能力も態度も運転状況も人それぞれなのだから、評価に際しての重み付けも人それぞれのはずなのに、これらの言説では一定の判断を押し通すために、その点を(意図的に?)スキップしている可能性が高い。

ちなみに、「道交法ではヘルメットの規格については特に定められておらず、道交法第71条4-1項(総排気量50cc超の小型/普通/大型自動二輪)、2項(総排気量50cc「以下」(not未満)の原動機付自転車)共に乗車時のヘルメット着用義務を謳っているに過ぎず、排気量によるヘルメットの基準分けは存在しない。国家公安委員会による「交通の方法に関する教則」ではSGマークやJIS規格のヘルメットが推奨されている、こちらはあくまで「推奨」であり強制でも無ければ罰則もない。ウィキペディア(Wikipedia)より」

バイクショップ(レオ)の店員の話

バイク乗りNさんの話

2ちゃんねるなどでの評判と話題収集

  1. 2ch.「ジェットヘル派?フルフェイス派?どっち?。発言者の意識は2chらしくもなくまじめで高い。安全&フルフェ至上主義者とその批判的見解(好意的・反感的の両方)の、ほぼ想像できるやりとり。勢力は半々ぐらいか。
  2. 2ch.「バイク事故で首がちぎれてました Part5 」。事故は恐いという事故例や画像紹介板。ここではフルフェおすすめ党がやや優勢か。むしろ、ヘルメットよりも派が多数。
  3.  

不明なトピックに関する調査事項

メーカーは?

2ちゃんねるなどwebでの評判

アライはフル、ジェット共に、快適性と信頼性で評判よし。
ここのジェットは高速にも強いらしい。
アライのヘルで事故って助かった、感謝、信者というカキコが目に付くが、それは安全性能を示しているのか、事故りやすい人がこのメーカーを選ぶのか。

595 名前:774RR :03/12/02 13:22 ID:nuG/2WCl
OGKはナウなヤングにフィーバーしてるメーカーだからね
OGKはスタンダードな合格メットの中では、一番安いし、一番格下と見られているようだ。なぜ? だが、近場のバイク屋数軒の中ではジェットでは店頭展示率が一番高いようだ。なぜ? 安いから売れてるのかよいから売れてるのか。
通気性に関してはアライよりも快適。
内装が比較的薄い
 

ここのフルフェは超高速(200Km/h前後)に強いという説も。

 

3社はすべて一定の基準を満たしている。その上で比較するなら、アライは優等生で安全性に対する信頼を売りにしている。SHOEIは高速志向で空気の巻き込みの処理には神経を使っている。OGKは低速志向で低速時の視野と通気の快適性には定評あり。

メーカーがWebサイトで公表している設計思想

 

 

購入候補のメットの評価と判断

テレオス2

最初に考えてた。2ch.での評判はよい(ただし、ジェットを容認した上での評価だろうが)。

値段が約3倍のアライのSZ-RAMと較べるなら、薄くてへなへなしている不安でチープな感じらしい。まあそうだろうな。値段割の評価はかなりよい。

 

 

おわりに

にわかメットおたくになってしまった。安全を考える上で、メットより大事なことはたくさんある。とくに初心者のうちは、いかにして危険に対する経験をできるだけ安全に積み、危険回避能力を高めるかがポイント。メットおたくは三文の得にもならない。ジェットでもフルフェでも、どちらかを選んで正しく使用していれば、トータルなリスク回避可能性から見て、どちらでも大差はないと見た。バイクや走り方の選択、体調管理や点検に、ジェットVS.フルフェのメット選択とは比較にならない重大なリスク上の落とし穴が多数あると感じられる。